これも先週の記録忘れ。
同監督の前2作は未見。何となく、親父と企画が似てるのが気になって、食指が動かなかった。
今回は知人の映画関係者がかなり高評価で誉めていたので、思い直して観る事に。
本作もその感じはあるのだけど、もしかしてこれは単にDNAに埋め込まれてるのか？とか思ったりも。そりゃ、子どもの頃から身近にお父さんの作品があれば、影響がない方がおかしいか。
自分のクローンの死刑を自分が見るという、ほぼワンアイディアから膨らんだ企画なのはよく分かる。
見ているジェームズは果たして本物なのか、クローンなのか、全部ジェームズかもしれないし元々空っぽな彼は、どれも自分ではないのかも。そんな彼が満たされる場所は、その繰り返しの中にしかないのかも。
犬の自分を殺して漸く生まれ変わったかの様な、イニシエーション的オチかと思いきや、結局空っぽな彼が惹かれるのは、というなんだか禅問答の様な作品だった。
白眉はやはり、この手の役に今やひっぱりだこなミア・ゴス。この人に海辺で話しかけられても、絶対なんかあると思えちゃう時点で、説得力という意味では微妙なのだけど、そこも含めてジャンル映画的な匂いがしてきてとても良い。
