このレビューはネタバレを含みます
こういう映画、本当に胸糞悪いので、あんまりレビューしたくもないのですが……観てしまったので一応。クライムサスペンスとしては確かによく練り込まれていて、その点は素直に感心しました。
結局のところ、「悪童」(なんて言葉で片付けていいのか?)の悪知恵と悪巧みに、大人も友達も振り回され、最後にはみんな殺されるという悲惨な映画です。そのプロセスや設定が意外にもしっかりしているので、普通に観ていると完全に騙されます。でも、あの主人公の男の子、やっぱり不気味なんですよね(褒めてます)。途中から嫌な予感がしてくるんですが、案の定……って感じ。
「岡田将生との心理戦」という触れ込みだったけど、実際にはお互いに証拠を手に入れて(撮影して)マウント合戦みたいになっていきます。いいように使われてしまっただけの友達と彼女はあまりにも可哀想だけど、本人たちは何とも思っていないのがまた悲惨。人を殺すことに理由はあるとはいえ、ほぼ躊躇なしなところは特に気味が悪い。つまり、救いようのないクズな世界を延々と見せられる映画です。
そして、黒木華の悪知恵(というか、ちゃんと真実を知って電話してるのはある意味すごい)によって決着がついたのかついていないのか……曖昧なまま終わる後味の悪さも、この映画を象徴しているというか、ある意味うまくまとまっているとも言えます。
ただなあ……結局、サイコパスな14歳の悪知恵に振り回される映画なので、正直、後味はめちゃくちゃ悪かったです。こういうのを「面白い」と感じてしまうってことは、もしかしたら自分も病んでるのかもしれません。気をつけないと。