本作は、想像の斜め上をいく展開と、次々と仕掛けられる巧妙なストーリーによって、観る者を飽きさせないスリリングな作品だ。
作風にはどこか平成のテレビドラマを思わせる懐かしさがあり、映像の色合いもやや薄暗い。悪く言えば少し安っぽさを感じる部分もあるが、その肩の力が抜けた雰囲気がかえって不意を突く。ただ終盤では、その作風が物語と演者の勢いに追いついておらずそこは気になった。
全体的に芝居はオーバー気味だが、それがこの作品の独特な世界観にマッチしており、時たま登場する明らかにわざとらしい演技をするキャストたちも、むしろスパイスのような効果を発揮している。予測不可能な展開とクセのある演出が合わさり、最後まで目が離せない。