みむさん

ダンテのみむさんのレビュー・感想・評価

ダンテ(2022年製作の映画)
3.0
東京国際映画祭にて。

ダンテを彼の死後に軌跡をたどる詩人ジョヴァンニ・ボッカッチョの視点とダンテ過去の2つの異なる時間で構成する映画だったかな。
「ボローニャの夕暮れ」プピ・アヴァティ監督作。

「神曲」でおなじみのダンテだけどその人物像は全く知らなかった。
この映画は監督のダンテに対する熱意や愛情が感じられる。短い尺にあまり描かれてこなかった(であろう)あれこれが詰まっていたように思う。

ボッカッチョがダンテの娘ベアトリーチェに会うために旅の中でダンテの生前を知る人たちによるフラッシュバックが入る。
ダンテとベアトリーチェの異様な(ある意味ロマンチックな関係)や政治的思考、友情などを駆け足で紹介していく…という感じ。

えぐり出した心臓を食べるシーンなどまるでホラーな要素もあり。

若き日のダンテや作品に影響を与えたであろうことも描かれるが、全体的な印象としては憧れ(?)のダンテの軌跡を興味深く知っていくボッカッチョの喜びと苦悩のようにも見えた。

ダンテの作品について詳しいともっと楽しめるかもしれない。引用もあるしある程度は知ってる前提で描かれてた気がするので。