青と黒

一月の声に歓びを刻めの青と黒のレビュー・感想・評価

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)
3.4
映画館で監督のティーチイン付きと言う贅沢な試写会で鑑賞。ありがとうございました。
元々大衆受けするような娯楽作品を撮る監督ではないけれど今回は特に監督のこだわりが強い感じがした。
舞台が3つと言うのは事前に知っていたけれどひとつの物語かと思っていた。しかし登場人物も接点がなくオムニバスと捉えた方がしっくり来る気がする。

・洞爺湖編 やけにリアルな娘夫婦の帰省時の会話からいきなり舞台感漂う主人公の一人語り。カルーセル麻紀さんは80歳とか。少し滑舌が聞き取りにくいところもあったがそれもリアリティか。
・八丈島編 圧倒的背景不足で親子の関係性がイマイチわからない。娘が急に怒るのもなんか腑に落ちない。
・大阪編 どこかでカラーになるのかと思っていたが最後までモノクロだった。子供の頃の被害に対して親はどうしたのだろう。植えてある花を勝手に伐採したら犯罪だよね、なんて思てしまったのは映画に没入できていなかったからかもしれない。ただこちらの主人公の一人語りはわたしの好きな「IMPERIAL大阪堂島出入橋」の佐藤浩市みたいで良かったけど。

全体的にやけにリアルな部分とそうではない部分のアンバランスさが気になる。そこは好き嫌いの分かれるところかと思う。
個人的には洞爺湖編をもっと掘り下げたら面白いと思った。男が嫌になっちゃったんだよね、それが伝わったので
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