『大停電の夜に』映画とceroの曲、両方とも大好きなんです。多分、停電へのワクワクを年甲斐もなく未だに持ち合わせているからなんですが、そんな非日常をこんなミニマルな設定に活用した今作のセンスは大変好みです。
停電中、社内に残されたアラサー同期3名のダラダラとした会話だけなんですが、だからこそ脚本と演技の比重が重く、そこどちらもがとってもよかった。
特に、ぼそぼそ繰り出されるあるあるネタは割と手垢がついてないものばかりで「変な人ってすぐ半袖になる」「すずらん通りっていくつあんの?」は大きく頷きました。
会話劇で小劇団風の臭みが出ないのはセンスでしかない。今後も注目したい監督さんを見つけられて嬉しい。