かぶき

青春18×2 君へと続く道のかぶきのレビュー・感想・評価

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
3.5
男の過去との対峙
幼い初恋と後悔、、、
『Love Letter』の引用もありつつ、
薄口岩井俊二エスニック風味
のような映画だった。

美術や撮影が綺麗。

36歳の現在が、旅を通して18歳の自分を、振り返っていく。
18歳と36歳の主人公をそれぞれカットバックで見せながら、過去を道中の出会いによって回想していく構成。出会う人々の交流はなんとも優しい気持ちになる。
でもしつこくなくていい。
暑苦しい色調の台南と日本の雪国の乾いた色彩もよいコントラスト

夢破れて山河あり
自分を見つめ、過去と折り合いをつけ、生まれ変わっていく、まっすぐなロードムービー。

清原果耶さんはなんとも魅力的
それだけで観た甲斐は充分にあった。

ただなんとなく結論ありきで盛り上がりはなく、オチとしても中盤でわかってしまい、もうすこしミステリー的にできたのでは?とは思うが、それでも切なくやるせなく、ラストのささやかな飛躍が胸を打つ。

二人は夢を叶えたから、再び出会えたんだ。
かぶき

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