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青春18×2 君へと続く道のKaZuiのネタバレレビュー・内容・結末

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

💬藤井道人監督作品。原作は、台湾出身の賴吉米(ジミー・ライ)による紀行エッセイ『青春18×2 日本慢車流浪記』。原作未読。2024年の冬。人生に挫折し、台湾から日本を訪れた36歳のジミー(演:許光漢)は、日本で一人旅を始める。旅の最中、ジミーが過去を回想するかたちで、2006年の夏に起こったアミ(演:清原果耶)との思い出が描かれる。清原果耶が過去一二を争うくらいに魅力的なのに、許光漢がそれに負けず劣らず可愛いのが凄い。物語の展開はベタだが、それが気にならないくらい主演2人の演技に引き込まれる。タイトルに“青春”とつけてしまうからには、青春描写に求められるハードルは跳ね上がる。そこを見事にクリアしていて、日本と台湾の青春の雰囲気を融合させた素敵な映画になっていた。私は岩井俊二監督の『Love Letter』を観ていたので、「お元気ですか」と叫ぶシーンにはグッときた。劇中、印象的だが曲が流れることはないMr.Children(以下、ミスチル)。ジミーとアミのふたりが、電車に乗って片耳ずつ聴いていた曲は一体なんだったのだろう。曲のリリース日だったり、当時の台湾での流行りだったり、ジミーの趣味嗜好だったりを考えると正解はあるのかもしれないが、あそこは曲が流れないことが正解だったように思う。ミスチルの曲を長すことには強烈な力があるからこそ、そこに逃げずに描写したのは偉い。それに、あそこで流れるミスチルの曲は、ある程度思い思いの曲を考えていていいのではないだろうか。私たちそれぞれの青春時代のミスチルの曲を当てはめることで、彼らの青い春が私たちにとっても身近になるはずだ。主題歌をミスチルにしたのは大正解。他にこの映画のエンディングを歌えるアーティストはいないだろう。

初鑑賞:2024年5月6日
鑑賞方法:映画館(イオンシネマ釧路)
2024年121本目。
5月4本目。

🗣かつての青春を追い求める作品で、『Love Letter』と併せて今の私に必要な映画でした。あと、少しシーンの意図とはズレるけど、雪山を訪れたときに連れの人が「お元気ですか」なんて叫んだときにはその人のこと好きになっちゃうと思う。
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