8Niagara8

青春18×2 君へと続く道の8Niagara8のネタバレレビュー・内容・結末

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

ただの青春映画、ラブロマンスかと高をくくっていたが、申し訳ない。
とても素晴らしかった。

前半ジミーはずっと過去を引き摺っている弱い奴なのかと、辟易しかけていた。
しかしながら、よくよく追憶を踏まえてみると、実は彼が過去と向き合えたのは現在が初めてであるようだ。
輝かしくもある青春に蓋をすることは痛みが伴うものである。彼は前を向くことしかできなかった。
過去とアミと自分とようやく向き合うことができたのは明らかなる成長の証左。
そして、彼は再び前を向き、今度はアミと共に歩みを進める。

前述したような要素は勿論ありながら、ロードムービーの側面も強い。旅や過去の青春への憧憬を掻き立てるような。どこまでも続くかのような線路は希望を感じさせる。
自然の嘘のような美しさは彼の人生に沿っているわけでもないが、かえってそれが救済的。

清原伽耶の魅力存分なアミのキャラクター造形。誰にとっても理想のような可憐で芯のある素敵な女性。
こうしたテーマの恋愛映画でお決まりのようなあざとい儚さのようなものはなく、寧ろ彼女は実在的で、それは確かなるものであった。
だからこそ、時間的隔絶のある"再会"が意味を持った。
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