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青春18×2 君へと続く道のysのネタバレレビュー・内容・結末

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

①全体の構成
プロットとしてはものすごく好きなタイプの映画。
でもアミの死をバラすタイミングをもう少し変えた方がもっと泣ける映画になったのではと思った。

冒頭、絵葉書に書いてあったアミの住所が福島県で、18年前の話ということは、東日本大震災が絡んでくる年代設定。
そのため、冒頭の絵葉書のカットを見た瞬間に
わざわざこの設定にしてるってことは震災の話が出てくるのでは?アミは震災で命を落とすのでは?という考えが頭に浮かんだ。
しかし橋の上で「人生が長いとは限らない」的なセリフがあったから、もしかしたら病気なのかな?という思いも浮かぶ。

こう言った雑念が終始頭の中をグルグルしながら見ていた為、イマイチ気持ちが乗っていかない。

また、病気的な展開を匂わせることなく、アミはジミーからの好意に気付きながらも彼氏の存在を匂わせて深くまでは踏み込ませないようにしている。
これはただ単に小悪魔的なお姉さんということなのか?という思いも若干してきたり、アミの行動原理が読めないため、なかなか二人の恋愛に気持ちが乗っていかない。

実は病気だったから、 あんな態度を取っていたと言うことが最後明かされるわけだけど、病気のこと、もしくは実はもう死んでいるというネタバラシを、もう少し前、できれば映画の60〜70分くらいのところに持ってきた方が、見てる間の雑念が入らなくて、中盤以降を惹きつけさせることができたのではと思った。

ラストの絵日記を見ながら「ジミーがこうしていた時アミはこういうことしてました。裏でこういう表情してました」という回想が入るシーン。
「ぼくは明日昨日のきみとデートする」と同じようなこの展開は、本来自分にとって大好物なはずなのに、これも中途半端だった。
この手の回想の入れ方をするなら、電話で両親と喧嘩してたシーンとか、ノックしてすぐ入ってきた時焦ってたのはアミが薬を飲んでいたからとか、
あーいう「裏側」的なシーンをもっと序盤から中盤にかけて作っておくべきだったと思う。
正直その二つのシーン以外はそれまで見たことあるシーンの焼き回し的な感じで、せっかくアミ視点の回想入れてるのに勿体なさすぎた。

②キャスティング
清原果耶、シューグァンハンのお芝居は完璧なんだけど、そもそも実年齢が12個も下の清原に4つ年上設定のアミをやらせることに無理がある。どう見ても清原果耶の方が年下にしか見えない。

本来はイケメン根暗童貞男子が、突然やってきた年上の可愛い女性に猛アタックするが、軽くかわされ、手の平でコロコロさせられ、でも女性の方もまんざらではないっていうお決まりのラブストーリーパターンのはずなのに、この見た目年齢の齟齬のせいで、そこがチグハグになってしまっていた。
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