東京国際映画祭学生応援団

小学校~それは小さな社会~の東京国際映画祭学生応援団のレビュー・感想・評価

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東京都のとある小学校の一年に密着したドキュメンタリー映画。入学したての1年生と卒業を控える6年生の両視点から描かれている作品である。


泣いてしまった。約10年前の小学校生活を懐かしく思ったのと同時に思い出が蘇ってきた。掃除当番、給食配膳、委員会や係に学校行事。こんな感じだったよなあとしみじみ思う反面、次第に先生側からの目線に立って見る自分もいた。生徒と真剣に向き合う先生方の言葉や苦悩が画面越しに伝わってくる。生徒達はコロナによって色々と我慢を強いられた世代だ。マスクが当たり前、給食は一人一人前を向いて食べる異様な光景に心が締め付けられた。それでもたった1年ではあるが、彼らにとっての貴重な1年を画面を通して体感出来たことが非常に嬉しい。

今作品では小学校を「小さな社会」と位置づけている。「制約」と「自由」のバランスの中、自分を形成する期間である小学校6年間は非常に大きい。日本の小学校の教育体制の素晴らしさと尊さが表現されている。本作品は見る世代によって捉え方が異なるだろう。貴方は彼ら彼女らを見て何を思うか。
最後まで涙を拭いながら、色々な感情が混ざりあった。この作品に出会えてよかったと思う。

12期 牧野