ヨガの教室を運営する男が人生における様々な問題に直面するお話

ヨガのインストラクターが自然、精神と一体になるヨガだけではどうにもならない現実的な問題に次から次に襲われていく。地震による生徒の怪我と記憶喪失、妻との離婚、家族との同居、膝の怪我、鬱病……「ヨガ」を中心にしながらも、その側面にある現実的な諸々をユーモラスな雰囲気で描き出していく様は面白いものの、同じようなテンポ感で同じような問題が永遠と続くため冗長さは拭えない。合間に挟まるヨガ教室の場面は面白いものの、全体的には会話と顔の切り返しが多く、面白いショットの繋ぎ方は要所にあるもののやはり単調。序盤、地震の場面での全体的な人物の動作を現実的な写実で映し出し、1ショット毎の迫力が強かったからこそ中盤以降の冗長さは少し残念……

• #MUBI

【ヨガ講師、地震にて受講者救えず】
ヨガ講師のグスタボがレッスンをしている時、地震が発生する。落ち着いて受講者を誘導するのだが、ひとりが機材の下敷きになりケガを負う。それをきっかけにヨガ教室が続けられなくなる危機に瀕する。

グスタボはヨガ講師として冷静沈着に問題を解決しようとする。レッスンの時は息を吸って吐いて悟りを開いたように受講者と接しているのだが、現実はそう甘くない様子をダークに描いていく。この独特な空気感が面白い作品である。

Martín RejtmanといえばMUBIの常連監督なのだが、ヴィジュアルが毎回食指動かないものがある。しかし、いざ観てみると面白い。やはり今はアルゼンチン映画が脂が乗っていて美味なのである。