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唐獅子仮面/LION-GIRLのコマミーのレビュー・感想・評価

唐獅子仮面/LION-GIRL(2022年製作の映画)
3.7
【正義のエロティック・ヒーロー】





私のXのアカウントをフォローしていただいている、アメリカを中心に活躍されている"光武蔵人"監督の最新作だ。久々の"ほぼ全編英語劇"の作品だったので公開までウズウズしていたが、まさか本作があの「マジンガーZ」や「キューティーハニー」などを手がけた"永井豪"さんが新たに書き下ろした物語だったとは想像もし得なかった。しかもそれを"国際色豊かなキャストや製作陣"で構成して作ってしまうだなんて、光武監督は大胆すぎるなと感じた。

私の地元だと吹き替えしかやってなかったので、あまり俳優の演技に対して偉そうに言えないのだが、まぁまず吹き替えの配役に関しては中々マッチしていて良いなと感じた。
そして"唐獅子仮面"を演じた"トリ・グリフィス"のクールで且つ大胆な演技に終始見惚れてしまった。まさに彼女こそ、唐獅子仮面の佇まいを演じるに相応しい俳優だなと感じた。あと、ヴィランを演じた"デレク・ミアーズ"も惚れ惚れするほどヴィランの佇まいに合っていて最高だった。デレクは2009年のリメイク版「13日の金曜日」でジェイソンを演じた俳優だ。長身でまぁまぁ強面であるため、ヴィランにピッタリな俳優であった。

作品自体についていうと、本作は"永井豪色"が今までで一番強い事は確かなのだが、同時に言えば、本作の製作に参加している"東映色"も強く、中でも過去に東映が量産していた"任侠映画"や"官能作品"、そして今でも戦隊モノなどで東映の顔として活躍している"特撮作品"の要素をうまく活用した映画化だったなと感じた。…いや寧ろ光武監督と永井豪さんが"やりたい放題詰め込んだ贅沢な作品"なのかもしれないけど…。とにかく本作は、永井豪さんの作品が好きな人も東映の往年のジャンル作品が好きな人も"両方が楽しめる作品"であり、そして本作は原作が存在しない、永井豪さん新作書き下ろしストーリーであるため、初心者も充分その世界観を浴びる事ができる作品なのだ。

多少のチープさはあるかもしれないし、ツッコミどころ満載な作品かもしれないが、もう2人がやりたい放題やった作品なので寧ろそれが魅力なのだということを伝えておきたい。あと「ムカデ人間」で知られる"北村昭博"さんがまた面白すぎる役で出ているのでそれも注目だ。

まさに、令和に満を辞して誕生したエロティック・ヒーロー・ムービーだったなと感じた。
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