ぶみ

燃えよドラゴン 劇場公開版 4Kリマスターのぶみのレビュー・感想・評価

3.5
竜は死なない!

ロバート・クローズ監督、ブルース・リー主演による香港、アメリカ製作のアクション。
麻薬製造密売の内幕を探るため、香港の裏社会を牛耳る男が主催する武術トーナメントに参加する主人公の姿を描く。
先日観た『アメリ』同様、その名前はよく耳にするものの触れたことがなかった本作品、製作、配給であるワーナー・ブラザーズ創立100年とリー没後50年を記念したリマスター版が8日間限定で公開されたため、スクリーンに足を運んだ次第。
主人公となる武術の達人をリー、裏社会の支配者ハンをシー・キエンが演じているほか、ジョン・サクソン、ジム・ケリー等が登場。
物語は、冒頭武術試合が行われるシーンでスタート、そこでのリーの対戦相手が香港を代表するカンフーアクション俳優、サモ・ハン・キンポーだったのには驚くばかり。
以降、ハンが所有する島で行われている武術トーナメントが犯罪の温床となっている疑いがあることと、ハンの手下に追い詰められたことをきっかけにリーの姉が自害していたことから、ハンへ復讐するため、島へ乗り込むリーの姿を中心に展開していくのだが、てっきり、最初から最後まで、カンフーアクションに全振りした脳筋作品かと思いきや、なんのなんの、アクションシーンはそんなに多くなく、リーが潜入捜査する様はスパイ・サスペンスさながらであるし、島の奥深くに忍び込んでいく様子はアドベンチャーものかのよう。
そんな中、時折ジャッキー・チェンが登場していたのは見逃せないポイント。
また、リーの名台詞である「Don’t think. Feel!」が意外なところで早めに聞けたのは意外であったとともに、誰もが一度は耳にしたことがあるであろうラロ・シフリンによるテーマ曲は、同じく彼が作曲した『スパイ大作戦』(ミッション・インポッシブル)のそれと同様、否が応でもテンションが上がるもの。
加えて、ハンの手下オハラを演じたボブ・ウォールが、かつて阪急ブレーブスで活躍したアニマル・レスリーにそっくりだったのはツボ。
CG夜明け前、全て実写によるカンフーアクションは本物ならではの迫力に溢れている反面、前述のように思いのほかサスペンス色が強かったのは嬉しい誤算であり、中日ドラゴンズファンの私としては、「燃えよ」と聞くと、本作品よりどうしても『燃えよドラゴンズ!』が頭に流れてしまうとともに、結構最近まで、ブルース・リーではなく、ブルー・スリーだと思っており、「青の三」とは、なんてカッコいい名前なんだと勘違いしていたことを思い出した一作。

どこでも貧富の差はあるが、腹が立つぜ。
ぶみ

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