このレビューはネタバレを含みます
アンのことをあの手この手で追い詰めたくて必死で、もうコメディだった。
冒頭の河合優実の表情が素晴らしかったのに、間も無く取り調べのヨガでこの映画に一瞬で冷めた。
観客を共鳴させるまでに積み上げる過程と時間が絶対に必要なのにすっ飛ばしてる。
それを丁寧に紐解いて私たちが共感してやっと悲劇なのに、壮絶イベント大連射って感じで、あまりの非日常に喜劇。
起きた事実を丁寧に紐解くだけで
十分なのに、零れ落ちている。
暴力、脅迫、薬、犯罪、裏切り、コロナ禍
といったレアカードに頼りすぎて
人生を描ききれていない。
立ち直ろうと決意し髪を黒く染める時の表情や、なぜ人に頼らず赤子を保護しようと思ったのか、また再び身体を売ってしまった描写や何ヶ月も断てていた薬に再び手を出してしまう葛藤。全部事後しか描かれていない。
あんだけ障壁を本人にぶつけておいて
一回も反撃させないという見てる側へのサービスの無さ。母親に包丁を持って対峙するシーンで刺さなくてもいいから、包丁を落とすまでを見せて欲しくなかった。アンの味方の私はガッカリした。
事実を元に創作されたってことをやたら
盾として使ってる気がして仕方ない。
大人の演技力問題
何にも興味のなさそうな
取ってつけたような稲垣吾郎
エモーションを声量、口数、動作
の大小で表現する佐藤二郎
狂いきれてないワンパターン演技の
母親。
稲垣吾郎と草彅剛の出てる映画は
過大評価されがちだから…
気をつけろ!!!!
佐藤二郎の最後のシーン
吃ってますって演技笑ったけど
堪えた自分は偉いと思った。
ラストカットあの親子なのセンス無さすぎ!