このレビューはネタバレを含みます
実話ベース。
しかも時期が割と最近で、その状況下を自分を含めて生きていたからこそ感じるところもある。
母親からの虐待、売春、薬物、自分だけではどうしようもない状況に置かれていた女性の一生...
コロナ禍という状況で制限された色々、自分レベルであれば"しょうがないか..."で済まされていた部分が、そんな簡単な言葉では全然済まされない人たちがいた事実。判った気ではいたけど、やっぱり自分の想像力というか視野の狭さを痛感させられる。
出演人の演技も嫌いじゃない。河合優実さんは噂通り、とても良かった。
ただ、個人的にはちょっと脚本が好きじゃない。特に最後、子どものくだり。子どもは助かったみたいななんかこう、少し良いふうな話にするのは軸がブレてる気がする。調べた限り、実際の事件でこんなことはないし、なんかちょっとドラマチックにして、この話自体を消費しようとしてるみたいで好きじゃない。
あと、あの子がなんで死んだのか、それっぽい理由を語らせるのをやめてほしい。死んでしまった人の気持ちなんて誰も正解はわからないし、そこもなんか良い話風にするのは多分違う。
結局のところ、何も残っていないのが事実であって、そこはそのまま(わからないまま)しておく方が、良かったんじゃないかなと感じてしまった。
全体的に、色々語らせすぎてドラマっぽくなってしまっているところが、こういう題材であるからこそちょっと嫌だったなと思ってしまったのが事実。
ただ、綺麗事だけじゃ絶対解決しないだろうなと思ってしまうこういうケースに対して、考えること自体は無駄じゃないと思いたい。
普通に苦しかったし、世の中こんなのどうしたら良いねん...と思ってしまうことが本当にたくさんあることを忘れちゃいけない。