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あんのことのgaiahiroのネタバレレビュー・内容・結末

あんのこと(2023年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

人生の不条理さだけが心に残りました。

《あらすじ》
あんは売春で身を立てる少女。
家には身体の不自由な祖母と暴力を振るう母親との地獄の様な生活。

あんは覚醒剤の使用疑惑で取り調べを受けたことから刑事の多々良と週刊誌記者の桐野と知り合うことに。

母親とも切り離されて、介護の仕事と自分だけの部屋を得て、幸せな日常を掴むが運命の歯車が又、少しづつ崩れていく〜

《所感》
あらすじを上記の様に綴っているだけでホラー作品か?と戦慄してしまった。
合わなかった。
観なきゃよかった〜

河合優美さん演じる主人公あんの身の上から彼女が辿る不幸の連鎖まで観ていて本当に辛くなってしまった。
彼女の様に毒親の下に生まれた子供はそれだけで人生では大きなハンディとなる。
本人の努力や鍛錬で底辺から這い上がることが出来たとしても周りの人間の影響により再び転落してしまうことは多い。
そして、不幸は連鎖して最悪の結果へと向かってしまう人生の不条理を重く感じさせるラストは観ていて辛かった。

とはいえ主人公あんの設定と演出は見事でした。
10代後半の設定だが持ち物はバッグやペン、靴がスニーカーが小学生が好みそうなデザインだったりとと小学校を途中までしか通っていないことによる年齢とのアンバランスさと精神的な未熟さが感じられたし。
買い物途中で手帳を万引きしそうになったり、ベビーカーを置き引きしたりする場面では貧しさゆえに小さい頃から万引きを重ねていたという設定から倫理観の欠如が上手く描かれていました。
その辺りは充分に評価したいです。

好みの問題ですがもっとエンタメ性を盛り込んで、主人公たちに救いのあるストーリーだったらベストだった様に感じました。

以上
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