このレビューはネタバレを含みます
孤独ではないからこそ生まれる苦しみ。
繋がりがあるが故に苦しむという事。
どん底の彼女に、周りから差し伸べられる救いの手や彼女自身が掴んだものが無慈悲にも奪われていく様、見ているのが本当に辛かった。
もう、やめてくれと。
特に後半は本当にしんどかった。
救いがない。
子供の泣き声は、もう聞きたくない。
どこまでがフィクションか分からないけど、この世って本当に歪なバランスで成り立っていて、積み上げてきた物は簡単な事で崩れるという現実。
自分たちですら小さな事ですぐに落ち込んだり苦しんでしまったりするのに、ゼロから積み上げてきた彼女にとっては、崩れる事の苦しみは計り知れないんだろうな。
世界が全て崩れてしまうような。
自分はもちろん覚醒剤はやっていないけど、劇中の彼女の気持ちは痛いほど理解できた。
この話は現実がモチーフで、これがリアルとかけ離れた話では無い事を想像する事は簡単だった。
こういう事があるという事は、漫画やドラマでなんとなく理解していたつもりでいたけど、ずっと空想の中で存在する世界で、自分の身近には見えなくて、これが自分が見て見ぬふりをしてきた現実なんだろうなと思った。
のめり込むほど辛く、感情移入するほど重い。
しんどい。
しんどいけど、見た価値はあった。
この映画を見た事によって、少なからず自分の考え方に影響を受けたと思う。
毒親による子の監視を解消するには、「選択肢を知る」っていう事が解決に繋がると思うんだけど、現実はそんなに簡単な話じゃないんだろうな。
このケースも、ヤングケアラーと同じような形になってしまっていたし、外から助けるという事はかなり難しいんだろう。
もどかしい。
ミッシングは腹にナイフを刺されてその傷口をグリグリ抉られるような苦しさ、あんのことはナイフを刺されて抜かれて手当てした同じところにまたナイフを刺されて、を繰り返すような苦しみを感じました。