映画 あんのこと(2024)日本/113分/PG12
監督.脚本 入江悠
主演 河合優実 佐藤二朗 稲垣吾郎
マジで深夜に軽い気持ちで観たのが間違いだった。
最後まで観れたことがどれだけ凄いか。
いや、観なければいけないのかもしれない、途中本当に嫌になったけど。
悪い意味で心臓バックバクでもう2回目は観れない、観たくない。
2020年6月に朝日新聞の三面記事に掲載された事件、実話を基にした作品。
てか前提として三面記事って雑事件って意味もあるらしいんだけど、本作の事件が"雑"事件にまとめられてるの皮肉感じてるわ。
毒母親に男を紹介され12歳の頃から売春させられ、麻薬中毒になったあんが、刑事と記者と出会い新しい自分を築きあげていく......はずだったという内容。手首にはリスカ跡があり目にはクマがあり茶髪でやたら世間に反抗的で、クズな母親に逆らえなく優しいおばあちゃんの為に金を稼いで過ごしていたあんが、おばあちゃんの将来のために介護福祉士になることを目指し、ヨガを習ったり、趣味を始めたり、夜間学校に通い文字を習ったりし、新しい事に挑戦していく様がとても感動できるんだけど、そうは上手くいかなかった。
あんの面倒を見てくれていた刑事はカウンセラーとヨガ教室で他の教え子の女性に猥褻行為を行って逮捕されたり、記者はとくダネの為に信頼性で偽って刑事を追っていたり、母親はあんのことをママと呼び虐待脅迫金稼ぎの肉道具としか思っていないし、勝手に子供を預けた無責任な知らん母親やコロナウイルスが流行りだした5年前の日本でさえもあんの道を塞ごうとする。
あんが窓の外から見える青空を見上げて飛び降り自殺する結末になってしまったのがガチ胸糞悪い。
最後、息子をあんに預からせた母親があんに感謝していることを言うけど「お前何勝手に他人に自分の子供を預からせてどっか行ってんだよバカじゃねぇの」と感じたし綺麗事で終わらせた感じが更に皮肉さを増していた。
市役所?ハローワーク?みたいな場所で公務員に税金泥棒って刑事が怒鳴ってんのは共感できた。
あんが無理矢理預かった男の子の泣き声ですらもイライラしてしまったが、あんが一生懸命育てようとしたのが凄く優しさが詰まっていて、母親に逆らえなく立ち止まってしまうような性格のダメなモノはダメと言えない部分があんらしさが詰め込まれていた。
マジで母親クズすぎて鑑賞中に舌打ちして「死ねよ」って言っちゃったよ言いたくなるのも納得だよほんと。
映画の作り方としてはかなり好みな作り方で面白かった。
飽きさせないようにテンポよく展開が進んでいくのとその過程が自然すぎるのでそこにビックリした。
演者の演技も余計なセリフがなく自然な会話がされていて、表情で語らせている演出はとても良い。
これは映画制作で大事だが演出が良ければカメラワークもバッチリ決まる。
河合優美の演技力が凄まじかった。