「愛も与えすぎると、毒になる」。
毒女でも毒針でもなく、〝毒親″。
愛したら愛が返ってくると思い込む高慢。
胸に刺さるセリフが多い映画でした。
「女子高生ユリはなぜ死んだのか?」
死の真相を探るサスペンスタッチで
ストーリーが展開していきます。
関係者との人間関係など、
外堀からじわじわと核心に迫っていく構成で
思わず引き込まれます。
観てる側は当初、
「なんだ、結構いい親じゃない⁈」
という印象を拭えないのだけど、
真相が明らかになるにつれて、
それがやがて苦い後悔へと変わっていきます。
直接的な虐待シーンはない。
それもその筈。
家庭って、砦みたいなもので、
外部から守ってくれるけど、
裏を返せばその機密性から、
外部に漏れることがないから。
(監視カメラでもつけない限り……)
(理由なんてなくても)
子は無条件に親を愛そうとするのに、
なぜ親になるとそれを忘れてしまうのだろう。
自分も愛を乞う子供だったのに、
日々、子育てに忙殺されそうになる
親として、心に刻もうと思いました。
親を殺すという方法ではなく、
別の選択肢を選んだユリ。
連鎖を断ち切ろうとする、
最後の言葉が印象的でした。
観れてよかったです。