シネマスコーレのOP PICTURES+フェスで観ました（上映6作品目、僕は4作品目）。

この映画を観た人はきっと誰もが最後の輻輳した場面に強く印象付けられるのでしょう。あの場面は登場人物それぞれの思い浮かべる妄想を描いているのかな、と思ったんだけど、あの順番には実は大きな意味があって、あの順番である必然性があったのだ、と僕は勝手に思っています。

そして、この映画の題、NEXT LEVEL…物語全体を物語っていて、まさにぴったりの題名だと思いました。

上映後に舞台挨拶があり、塩出大志監督、出演のきみと歩実さん、星野ゆうきさん、田丸大輔さんの4人が登壇されてお話を聴くことができたのも良かったなぁ。最後の場面の大きなトランクの中には何が入っていたのか？というところなど、僕はありきたりに新たな旅立ちを象徴している…なんて受け止めをしていたのだけど、お話を聴いて改めて想像を重ねることができたりもして楽しかったです。

ホントに面白かったー！しっかりと楽しめました。この映画はいいぞ！まさに『ピンクは才能の宝庫』を実感させてくれる素敵な作品でした！

あり得ない組み合わせの擬似家族が巻き起こすあり得ないレベルのあり得ない展開のあり得ない物語。いつもの魔界エフェクトゼロな、普通の人間が1番怖いという塩出版「パラサイト」とも言えるサスペンスフルなエロブラックコメディ。コレはまた観たいぞ。

塩出という人に期待はできなそうだと思っていたが、面白かった。要はパク・チャヌクだろ？塩出もチャヌクも1本ずつしかまだ観ていないのだが共通項を感じた。

ヒッチコックかシャブロルだろうかサスペンスな画面。冒頭から家の中を長回しで動き回るカメラ。激しいものや雰囲気のあるジャズなど音楽を強調して使う。スローでの料理シーン、きみとのストレッチ、事故現場の靴のクローズアップ、セピアっぽい回想シーンなどを繰り返し複雑に挟み込み、混沌とさせる。

とはいえ、ラストの何パターンも見せるとこは冗漫で辟易。あれできっちり減点。