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オキュパイド・シティ(原題)のtouchのレビュー・感想・評価

3.6
"NO MORE FASCISM NOW"
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TBSドキュメンタリー映画祭にて
『それでも夜は明ける』のスティーヴ・マックイーン監督によるドキュメンタリー
4時間超の挑戦作。
コロナ禍のアムステルダムのポートレイトにナチス占領下の史実が重ねられ、過去と現代が接続する。
実際に現地を訪ねて回る紀行映画のような印象に。
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4時間ほぼぶっ通しで「世界の車窓から」を見せられた感覚。
かつてユダヤ人家族が暮らしていた現存する家やドイツ占領当局によって接収された物件を一軒一軒めぐり、現在の様子を映し出す。
画は和やかで正直地味だが、ナレーションで淡々と語られる当時のエピソードはひたすら陰惨でショックを受ける…
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ただ、膨大な情報量のテキストが矢継ぎ早に羅列されることで脳が疲れて追いきれなくなり、一つひとつの内容の重さが相対化されて薄まっているのは本末転倒と感じた。
監督は「これは歴史の授業ではなくメディテーション(瞑想)」と言っていたが、差別や虐殺の過去を伝える手法としては不適切ではないか
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