シネマ1
NHKドラマの劇場版。
婦人解放運動家・伊藤野枝の物語。
伊藤ノエ(吉高由里子)は女性に何の希望を抱かせない因習に満ちた郷里を飛び出し東京の女学校の教師・辻潤(稲垣吾郎)と同棲する。婦人解放運動の先駆者・平塚らいてう(松下奈緒)の青鞜社に参加し、執筆活動を始める。そして、運命の男無政府主義者の大杉栄(永山瑛太)と出会う、、、。
主人公伊藤野枝の思考、行動が明確で伝わってくる。男尊女卑の思想は今では考えられないものだが、大正時代では当然の考え方だった。
野枝の当たり前の考えは当時の世相では理解できないものだった。女性は良妻賢母が求められる時代。それは苦しいものだっただろう。
野枝は東京で同じ価値観が通じる人たちと知り合いさらに心が開けていく気分だっただろう。
しかし、進む道の先にいるのは理解者だけではない。巨大な力が立ちはだかり踏み潰そうとしてくる。
伊藤野枝の生き方考え方がとても丁寧に描かれている。元がテレビドラマというのもあるかもしれない。
吉高由里子の自然体の演技が野枝の成長を感じさせていい。
永山瑛太演じる、カリスマ性といいかげんさを併せ持つ大杉栄像もいい。
稲垣吾郎演じる、将来を予見してるような辻潤も上手い。