このレビューはネタバレを含みます
最近DDTの過去の試合見てたらアンドレが出ていたので。
太秦 UZAMASA uhb
【ずるいけど】
確かに笑える人には笑えるんだろうけど冒頭のマンガスタイルの小ネタとか、サムソンの繰り出すカンチョーとか、私にはあんまりウケなかったから、この映画、どういう方向に行くんだ?と思っていた。それはヤスケンさんの妙に気持ちのこもったナレーション然り。
完全に撮れている絵はテレビのもので合って、テロップとかも相まって、劇場公開というよりはテレビ用に作ったのかなという印象。
一切根室プロレスのメンバーについては知らないところから入ったけど、サムソンが明美さんとの生活をリスタートする瞬間はうるっときてしまった。
敢てポジティブな言い方に留めておくなら、その場所にいるからこそ花咲けるレスラーのみなさん。リングの上では弱者男性なんて言わせない。(きっと下でも、と信じる)
これは多分キャラクターをプロデュースしているサムソン宮本さんの力量によるものなんだろうなと思う。
サムソンが難病になったあたりから、テイストが変わった。そして大きく感情移入してしまった。
少しずつ仮面の下の顔があらわになっていく。
そして、サムソンは病に倒れる。
バトルメン?っていう番組の人の涙に涙を誘われる。
そうしてサムソンの遺志を継いだラブライバーのトモヤにより、サムソンは復活する、そしてコロナ禍で叶わずだった東京でのプロレスも実現させる。
一体あのVTRはいつ撮ったんだろうか、サムソン。
ネネ様の病気は「夜明けのすべて」と少し似ているやつだけど違うやつだと思った。
大砂厚さんのこれからが不安だ。
あくまでもプロレスの映画として告知されている作品で、レスラーの人生を語り、サムソンにおいてはその最後までを映画の中に刻んでしまう。人の人生を娯楽、映画化することに賛否はあると思うから、私としてはずるいと思った。無の状態に感情を入れ込ませるように作られている映画の構造もズルい。珍しく泣いてしまった。そしてエンディングのプロレスラブな感じ。会場で根室プロレスグッズが売り切れるのもわかる。
ズルいが、良かった、ということでこの評価。
サムソンの長女さんは恥ずかしがりだったのか、もしくは次女さんが出たがりだったのか。