くりふ

父としてのくりふのレビュー・感想・評価

父として(2023年製作の映画)
3.0
【父たちのブレックファスト・クラブ】

Netflix新作短編ドキュメンタリー。トランスジェンダーの子を持つ5人の父親が、週末の釣り旅行に行き、互いを語りあう10分。

この体裁が適切だったかは疑問。長いCMのような、また現実逃避のような後味が残る。

が、意義はわかります。種まきと捉えればいいのだろうし、アメリカに限らず、父たちはこういう段階なのだろうと。父の有様を見える化して、広く共有することに価値があるかと。

釣りにデニス・シェパードも加わることがポイントですね。ヘイトクライムを禁じる“マシュー・シェパード法”の元となった、同性愛者だからと21歳で殺害されたマシューの父。

事件から25年が経っていますが、この彼だけは顔つきが違う。この画は記憶すべきかと。

父たちが知り合った経緯はわかりませんが、こうして語り合うだけで大きな助けになっているのでしょう。その中でやはり“有害な男らしさ”が足を引っ張っていることがよくわかる。

監督自身も、トランスジェンダーの子の母親だそうですね。

“Fatherly”というサイトの本作解説がわかり易かったので、リンクを添えます。

https://www.fatherly.com/entertainment/the-dads-documentary-netflix-fathers-of-trans-kids

<2023.11.24記>
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