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神の道化師、フランチェスコ デジタル・リマスター版のジャンのレビュー・感想・評価

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再見。冒頭、雨が降る中、画面の奥から僧衣を纏った男たちが手前に歩いてくる、その移動の画だけでなぜか幸せな気持ちになる。その理由は、フランチェスコが他の修道士たちと等価に映し出される「集団の映画」としての特異な性質故だと思われる。フランチェスコは、他の修道士と同じ目線の高さで彼らに紛れる形で撮られるか、あるいは修道士たちを見上げる姿勢になって撮られており、フランチェスコが特別に神聖化されることはない。そして映画のラストでは、フランチェスコが地面に倒れた修道士たちを見下げる構図になるが、まさにそれ故に彼らの集団としての旅が終わりを迎えるように見える。
その他、これほど豊かなアクションに満ちた映画だったかと驚かされた。ジネプロの身体が大縄跳びの大縄になってしまうのももちろん、同じくジネプロが男に飛びついたり、男たちが階段を転がり落ちたり。
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