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FEMME フェムのparaのレビュー・感想・評価

FEMME フェム(2023年製作の映画)
4.3
ひりつく98分

最初から最後まで緊迫しかない。
人間は皆程度の差はあれど素のままではなく、社会に合わせて他者に見せたい仮面を被り生活を送っている。
その仮面が分厚ければ分厚いほど当然苦しい。

互いに一目惚れの本能で惹かれ合うものがありながら、仮面が邪魔をする。
ジュールスは自身の心の傷との訣別ために目論んだ復讐だったが、心が晴れる日が来ることはないだろう。
傷つけ合うことしか出来ない関係は誰も幸せになれない。とても哀しい痛みの物語。

演出や展開いずれも素晴らしく、監督らの今後の作品に期待。

キャスト陣、中でも主演の2人が圧巻の演技。
特にジョージ・マッケイの刻々と変化する心の動きを表現する力が素晴らしく引き込まれた。本当に良い役者さん。

カッとなるとすぐにキレる粗暴なプレストン。つるんでいる仲間たちの手前強がってハイパー・マスキュリニティに囚われているが、高級レストランでの振舞いみても氏素性は恐らくボンボンが悪ぶっているだけ。
根っこにある弱い自分を隠したいがあまりに粗暴になっているのだとしたら、、、不幸だし、そういう人はこの世に少なくないかもしれない。

深い余韻が残る作品。
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