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マイノリティ・リポートのinazumaのレビュー・感想・評価

マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)
4.8
「お袋にもらった目だ!」
…トムの心に残る名ゼリフ👁️

舞台は、予知能力を使って犯罪が起きる前に食い止める組織、その名も「犯罪予防局」によって治安が保たれた未来。そこのチーフであるトム・クルーズが予知により犯罪者とみなされて追いかけ回されるという物語。

物語が近眼の男に始まり、予知能力者による未来視、個人識別符号としての網膜、目の手術など希望やディストピアなどいろいろな象徴として描かれ、予知能力者が見ている未来の映像を最先端技術を使って覗き見るという″見る″行為が二重になっていたり、とにかく人間の″目で見る″という行為に満ち溢れていました。…かと思えば自分の目玉がコロコロ転がっていくのを大慌てで追いかける爆笑ポイントもあったりする。

″見る行為″や、そのための″目″が本作の中ではたくさんの意味をもって描かれている。時と場合によって同じものが別の意味を持って描かれるというのは映画の楽しみそのものであると同時に、「別の未来」や「未来を変える」という物語のテーマとも強く結び付いていて、純粋に映画の形として美しいし、スピルバーグのことがさらに好きになった!

スピルバーグといえば『ジュラシック・パーク』シリーズとか『インディ・ジョーンズ』シリーズとか『ジョーズ』とか『激突!』とか、テーマパークのような超楽しい作品をはしゃいで作っている映画好きの子供のような印象を持ってましたが、本作では彼のクールでダンディな顔を垣間見ることができたような。それは本作はテーマパーク的な要素以上に、映画の構造や伏線回収で楽しませようとしてるからだと思いました。

とはいえ、テーマパーク的なお楽しみポイントもタラフク用意されています!壁を走る車の上をまるでロックマンのような横スクロールゲームの″動く足場″のごとく飛び渡るところとか楽しすぎて昇天しかけたし、車工場での攻防でトムが″車にされかける″ところとかヒヤヒヤ😱でスピルバーグの鬼畜な部分が出ちゃってる最高のドンパチシーンもあり。

一番印象に残ってるのはスパイダーちゃんたち🕷️!なんだあの可愛いのは!溝の中からフタをそーっと開けてこんにちはするときに頭部だけチラッと見えるところとか可愛いすぎて悶絶。あんな可愛いのに子供から超嫌がられてるのも微笑ましい。。ていうかこのスパイダーちゃんのシーンも素晴らしくて、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』にもあった″神の目線″ショットによりスパイダーちゃんの手際よい仕事ぶりとされるがままの住人たちを眺めながら、トムがいつ見つかってしまうのかというドキドキ。
…スパイダーちゃんのキュートさと、笑いと、緊迫と、凝ったカメラショットが一度に味わえるという極上の名シーンでした!
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