蛇らい

ゴーストバスターズ/フローズン・サマーの蛇らいのレビュー・感想・評価

2.3
序盤のECTO-1がニューヨークの街を駆け抜けるシークエンスは素晴らしかった。マンホールの蓋が上空に飛び上がり、落下する様をカメラが追随するというカーアクションと同時に進行する。ダイナミズム溢れるシークエンスではあるが、ここが全編を通して最もエキサイトするシークエンスとして留まってしまっている。

『ゴーストバスターズ 』のハイライトのひとつは、大の大人がおもちゃのようなアイテムを使い、無責任で適当な佇まい、誰にも介入させない子どもにとっての大人の理想型として機能していたことにあると思う。しかし、本シリーズは、何故かガチガチの保守的な保護者がゴーストバスターズに残留し続け、常に大人に監視されている極めて窮屈な印象になってしまっている。そこにはミラクルを予感させるものはないし、子どもたちが映画の中で擬似的な開放感を得られない。

中盤の史実、マクガフィン、科学技術の解説でみるみる中弛みし始め、登場人物も多いことから、スクリーンに映る時間がそれぞれ分散され過ぎている。オリジナルメンバーも登場するだけでさほど機能していないし、ラスボスの造形が近年のホラー作品にありがちな量産されるクリーチャー的なルックで新鮮味がない。

次作があるとすれば、できる限りおばさんとおじさんを排してティーンが活躍する作品になることを祈る。
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