Taisuky

クロッシングのTaisukyのレビュー・感想・評価

クロッシング(2008年製作の映画)
5.0
点数として5点満点のところ10点をつけるべき作品です。個人的に脱北者と関わる機会があり、いろいろな証言を直接聞いてきた身としては、こんな現実は普通の事で、生きるためにもっと悲惨な事をやらされたり、やらざるをえなかったり…。そんなあれこれを観るたびに思う映画です。DVDを購入し何度も繰り返し観ているのですが、ラストシーンは辛すぎて、心が強い状態でしか観られないんです。「ジュニ……」そして、この映画で描かれる、密告や強制収容所は全て真実で、脱北者の証言から緻密に描かれています。この点も絶対に知ってほしい現実ですし、今この時も収容され死ぬ目にあっている人々が何万もいるのです。でも、こう書きましたが、ドキュメンタリー的な堅苦しい映画ではなく、ドラマとして非常に丁寧で心を揺さぶる演出がなされていて、さすがにキム・テギュン監督でしか成し得なかった奇跡の名作だと思っています。号泣をする覚悟で観てください。歴史に残る作品だと断言しますから。絶対に観るべき映画。
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