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映画 ○月○日、区長になる女。のIのレビュー・感想・評価

5.0
とても面白かったし感動した!
監督の部屋から始まり、この生活が政治によって潰されるかもという流れが、生活=政治とスバっと示していてよかった。
かっこよかった〜
この映画に出てる女性やみんな。
そして、やっぱり岸本さんが素敵。
明快で聡明で。最初に「国の言うことを聞かない地方自治体を増やしたいんだよね私は〜笑」みたいな発言も、かっこよくてガツンときた。あまりこだわりないと言ってたファッションもメイクも好き。
杉並想いの区長をつくる会の方針が、はじめに、女性であることを掲げているなど、しっかりしていてよかった。メンバーも男女や年配の方が多いけど、少ないけど一応中間世代や若者世代もいて。
男女平等とか女性の日とか名ばかりで、結局男性主体や男性主導じゃんというのをごまんと見せられているのでそこは安心。
日本の状況で「50%もいる女性でさえ無理ならもっと数少ないマイノリティの人たちの政治参加なんて到底無理」というのも頷いた。選挙当選してもバンザイではなく「選挙は続くよどこまでも」と歌ったり、現実的だけど前向きな姿勢とか、ほんとうによかった。
あとは、投票率2%あげるのもめちゃくちゃ大変で、日本の投票率じゃほとんど組織票で、5%以上あがった杉並区長選挙はほんとうにすごいし、日本の投票率の低さと数%あがったら市民派が当選するという何ともなヤバさ。
杉並区はもともと高円寺の勝手にやろうという勢いがあったり、杉並に愛がある人が多くて、選挙自体の盛り上がりもだし、勝手に住民が盛り上がっていたのも良かったところだよなぁ。

年配のおじさまが感動して泣いていてそれにもグッときてしまった。
ここは杉並じゃないし、がっつりの保守だから、嬉し感動だけじゃなくて色んな感情がまじった涙だったろうな、と思いながら自分も悔しさとか色々な言葉にならない感情で冒頭から泣いていた。

追記
岸本さんが自己実現に利用されることの違和感を吐露していた場面が刺さった。選挙の様子を最初見ていて特に何人もの年配の方がアドバイスを岸本さんにしている場面にイライラしてしまっていた。矢面に立たされている岸本さんに無責任にアドバイスしている年配のあなた達は何をしてきたの?あなた達が何もしてこなかったから今のこの悪政なんじゃないの?と。(岸本さんの思っていたこと言っていたこととわたしのイライラしたところは違う)でも自分が高齢者にイライラしてしまうのは今の政府の思う壺でもあるし、分断するような政策をしているのは今の政府だから気をつけないといけないな、と思い直した。ただ、せっかく市民派で野党で候補者が出てくれた時の支援する側の在り方は考えさせられるところがあった。今政治運動をしていたり、野党側で選挙を支援したりする時には「要求と政策は違う」と岸本さんが何度も言ってたことを考えないといけないよね。
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