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バービーのIのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

エンタメとして素晴らしく内容も芯があって批判的だけど温かみもあって現在のことが描かれていて良かった。個人的にサクッと観られるのが良い。

みなさんのレビュー全体を見てると歯がゆい。。
鑑賞前だが、今作がフェミニズムな映画と聞いて日本だと内容も”ポップ”な映画と思って観に行ってナンダコレと思う観客多いだろうなと思ったけど、ほんとうにそんな感じする。
さすがジェンダーギャップ指数が世界中で125位の日本(146カ国中)

フェミニストの作り上げられたイメージに邪魔されて最初からアレルギー反応で決めつけてしまっている人が少なくなさそう。
お説教感を感じている方も然り。

クソフェミな内容だと批判が見られるが私は全くそんな内容だと思わなくて、1番大きな映画のテーマと監督が伝えたいメッセージが自己実現だったと思うのだけど。
それは男女関係なく、人間にとって、という話の筋だった。
むしろ、大きい主語,例えば白人とか日本とか今作だと男とか女とか、そういうものに自分を埋没させるのは危うくて、差別も産まれる。今作は差別感情を乗り越える為にも自分のアイデンティティの確立をしようと投げかけている。

そして、今作が女の権利ばかり主張する内容だとしたなら、なぜ最初の設定が、「女が権力をにぎるBarbieランド」で虐げられているのがケン=男性としたと思うのか…?その設定が批判的に描かれているということが(めちゃくちゃ分かりやすく批判しているのに)見えないのはやはり、どうせフェミニストの映画だから女尊男卑バンザイなんだろう、という偏見フィルターがかかってしまっているからなのだろうか…
現実世界で虐げられている女性が、自分の奪われている権利ばかりでなく、自己反省というか権利を取り戻す過程において気をつけないといけないよねとめちゃくちゃ謙虚に語っているのにそれでもクソフェミ!と言われ、
今作の内容がブラックユーモアとしてではなく、お説教くさくて主張強めと思われる状況…
この内容がスタンダードでだから”ポップ”とも言えると思うのだけど、こうなってしまうのは、アメリカでは他国ではどうなんだろう?あと、そもそも日本は割と男女平等だよね(なはず)とナチュラルに思ってる(気がついていない)人も多いのかな。

もちろん、最終的なメッセージとして自己実現はあるけれど、それが、では人類結局皆同じだし、男女がどうとかそういう細かい話ではなく、根源的な話をしようよ!と強引にまとめられているわけではなくて。もちろん女性の権利も大切だし、男性の権利も、全ての性別の権利(つまりは全ての人の権利)が大切である。でもそればかりを主張してしまうと、実際の現実にある差別が見えなくされてしまう。現実をきちんと捉えて一つ一つを丁寧に取りこぼさず目を逸らさないことが差別解消に繋がる。理念も大切だけど、現実も見なければ何も変わらない。
そのプロセスというか、きちんと差別されている側の苦しみを描いたうえで、根源的なことが語られているところが嬉しかった。グレタ・ガーウィグ、そしてノア・バー厶バック、製作陣の皆さま、実現に関わった皆さまありがとう、、

キャストがそれぞれハマり役だからこその自虐的な面白さとか、映画ネタとか面白かった~

サントラも良かった
(ライアン・ゴズリングのPushヤバい🤣)

いろいろ書いて、そういえば気になるな…というところもいくつか出てきた。さらっと観たけど、意外と奥が深い映画。また観たい。それに、辛い現実辛いニュース続きで力を奪われそうになるからバービーみたいな明るい映画に救われる。
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