垂直落下式サミング

劇場版 BLEACH ブリーチ 地獄篇の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

2.9
ウルキオラ戦の新作カットバージョンのオープニングに目を見張るも、アニメーションのダイナミックな快感はそこがピーク。作画の力が入ってるところと省エネなところの落差がはげしい。劇場版第4作目。
漫画の方には「流儀に酔って勝ちを捨てるのは三下のすること」っていう意識高い自己啓発セミナーっぽい台詞が出てくるんですけど、ブリーチ世界には敵も味方も「勝つこと」より「勝ち方」にこだわるタイプの方が圧倒的に多いよな。
卍解を修得しているのに使わなかったり、技の概要を格好つけてぺらぺら喋ったがために対策されて負けたりするバカがいるなかで、今回の敵は地獄からの解放という飽くなき自由への渇望を行動原理としいるため、形振りかまわず一護たちを追い詰めてくるのだ。
でも、作りとしては典型的な少年ジャンプ漫画の劇場版で、映画のための新作ストーリーを書き下ろしたわけじゃなく、連載中に伏線張って多少は設定考えてたけど描く暇なかったストーリーを番外編として劇場用映画にしましたって感じ。ブリーチの最大の魅力はスタイリッシュなデザインと人物のネーミングセンスだと思うのだけど、本編が捨てた設定だけあって本作に登場する新キャラやヴィジュアルはオサレポイント低めだなぁ。
連載初期からの「仲間を守る」というテーマが一貫していることにはグッとくるのだけど、敵を倒す方法が破面篇の焼き直しなのはバトル漫画としていかがなものか。刀を折られないと使えない技が第三の技だってんだから、ルキアちゃんってば相当引き出し少ないしな。本作でも触手で高い高いされたり、鎖に繋がれるなどしてリョナ要員として頑張ってくれていた。
とりあえず、実写版はルキア役の杉咲花ちゃんをCGのバケモノがリョナってくれれば文句ないので、今んところは楽しみなのかもしれない。