前髪メガネ

からかい上手の高木さんの前髪メガネのレビュー・感想・評価

からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)
3.9
結局映画館でも「西片ぁー!」「高木さぁーん!」悶えそうになった。

とある島の中学校。隣の席になった女の子・高木さんにいつもからかわれている男の子・西片は、どうにかしてからかい返そうとさまざまな策を練るも、彼女に見破られて失敗ばかりしていた。そんな2人の関係はずっと続くと思っていたが、高木さんがある理由から引っ越すことになり、心に秘めた互いへの思いを伝えることなく2人は離ればなれになってしまう。それから10年が過ぎたある日、母校で体育教師として奮闘する西片の前に、高木さんが教育実習生として現れる。

マンガからハマり、アニメでも悶えてまさかの実写化。しかもドラマと映画。
特別な設定があるわけでもない作品だから西片と高木さんのキャラクターがとても重要でそのキャスティング次第だなぁと思ってました。
今泉力哉監督作品は好きだし、本作もメインは恋愛。きっと話は面白くなるだろうと思っていたけど、でもやっぱり気掛かりはキャスティング。。
先行して公開されたドラマもドキドキでしたが、そこにいたのは紛れもない西片と高木さんで一安心でしたが、、
映画は原作とは違う時間軸なので正直解釈の齟齬はあるかもなと思ってました。

正直に言うと若干のズレはありました。
あったのだけど、映画が進むにつれて馴染むというか2人が西片と高木さんになってました。
10年ぶりの同窓会で見た目も落ち着いた立ち振る舞いに少し距離感を覚えてたのに話していくうちにお互いの緊張がほぐれてあの頃のままに感じるあの感覚に似ていたかも。

町田、大関と関わり始めた頃からかな?
中学生の悩みに触れて10年前の感覚が戻ってきたみたいな感じで自然な2人になっていた気がする。

今泉力哉監督らしい恋愛に渦に飲まれて上下左右を見失ったかのような町田大関の悩みも自然で馴染んでいたし、そこから「好き」を見つめ直した西片と高木さんによる長回しのあのシーンもとても良かった。
今泉力哉監督だからこそのあの演出だけど、間違いなく成功だったと思う。
西片の成長だったり高木さんの機微をあの長回しで見られたのはとても贅沢でした。

原作ファンとしては満足いく作品になってました。
が、原作、中学生のふたりを知らない人が観たらどこまで楽しめるかな?とは思ったかな。
好きだからちょっかいかけていた高木さんと、好きとかはわからないながらも勝負を理由に一緒にいた西片って中学生時代のあの青春があってこそだと思うから、、

映画だけしか観てない人の感想が気になる。
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