さすらいの旅人

からかい上手の高木さんのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)
3.6
★それは好きよりも、もっと好きと言うことよ
【BS/WOWOWシネマ/放送録画視聴/ビスタサイズ】

映画を観始めた時、本作が今泉力哉監督作品と知った。
今泉監督は不器用な男女のラブストーリが得意な監督だ。本作も過去作同様に男女の掛け合いの面白さと、不器用さのイライラ感が良く出来ていた。原作はアニメと劇場版アニメですでに鑑賞済み。本作は原作の中学生から大人へと変化したが上手く演出していたと思う。

私が本作で感動したのは監督には失礼かもしれないが、映画としての内容よりも瀬戸内海と小豆島の美しい風景が効果的に描写されていたことだ。海岸の風景はもちろん、山の上から見た島の全体像や神社などが美しかった。当然、夕日に染まりつつある時間帯の風景の切ない感じも表現できていた。そして、その風景に高木さんと西片の二人がうまく溶け合っていた。

本作は多少原作との乖離が気になったが、今泉監督らしいほのぼのとした作品に仕上がっている。