おりょうSNK

テルマ&ルイーズ 4KのおりょうSNKのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)
5.0
1991年 アメリカ 129分
@京都シネマ 平日20:30〜 観客11人

リドリー・スコット最高傑作、4Kリマスターのリバイバル上映。

大好きだけど実は初めての劇場鑑賞。4Kとかいうきれいな映像にはたいして興味がないけれど、その技術革新があったからこそ過去作を掘り起こすリバイバル上映が増えているから4K万歳と言いたい。また、リバイバル上映でパンフレットが作られるのは珍しい。

男と女とアメリカの様々なグロテスクを見せて、怒涛のラストへ。駐車場を猛スピードでバックさせるような力技演出もあるけど、表情と行動の変化、関係性の変化を繊細に描けるリドリー・スコット。褒めたいところが数えきれないが、とにかく絵が決まってる。ダイナミックな後景のインターステート・フリーウェイ、サンダーバードを舐めるように捉えるカメラ、大雨を行く車列、ブラピとジーナ・デイヴィスの肉体美、大峡谷から現れるヘリetc. それらが上滑りせず、状況の説明になっていたり、キャラクターの心情や変化の表現、行く末の暗示になっているという映画芸術。

惚れた者負けの法則に則って武骨かつ繊細な演技を見せるマイケル・マドセンや、分別ある大人の善を演じるハーヴェイ・カイテルも、泣き虫警官も、空気穴にタバコの煙を吹き入れるサイクリストも忘れられない。

ふたりの帽子が飛ぶ。観客も腹を括る時間。いつまでも色褪せない、最高の瞬間。
ふたりの足跡を振り返るエンドクレジットも効果的。
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