◼︎NOTE II 『Rewind & Play』は、モンクを、同業者から誰もが尊敬する非の打ちどころのない天才としてだけでなく、むしろ同時代の多くのミュージシャンと同じような困難に見舞われた人物として再定義しようと努めている...。この映画は、現実を変えることなく、むしろ、失われた時間を取り戻そうとする監督の立派な努力がなければ、おそらく完全に失われていたであろう貴重な視点をより正確に再現するために、過去を注意深く再構成している。
Richard Brody. Behind the Scenes with Thelonious Monk in “Rewind & Play”, “The New Yorker”, 03-10-2023, https://www.newyorker.com/culture/the-front-row/behind-the-scenes-with-thelonious-monk-in-rewind-and-play を翻訳
◼︎NOTE IV セネガル出身のフランス人映画監督アラン・ゴミ(『Félicité』)による、明らかに緊張感のあるアーカイブ・ドキュメンタリー『Rewind & Play』では、悩める天才が悩めるシステムに出会う。セロニアス・モンクの伝記映画を制作するためにリサーチをしていたゴミスは、1970年に放映されたフランスのドキュメンタリー番組で、伝説の音楽家が受けたインタビューの未公開部分という、驚くべき発見をした。
ルノーは、その答えを「軽蔑的」だと言って削除しようとする。しかし、モンクはそれを伝えようとし続け、反発を受けると立ち去ろうとするほどで、明らかに搾取を追体験している。「モンクは言う。 モンクは言う。 ルノーは、「いや、でもいいことじゃない」と答える。 ゴミスはこの瞬間の慇懃無礼と無礼のオーラにスポットライトを当て、『Rewind & Play』にモンクの言い返しでもある「It’s Not Nice?」という生意気なサブタイトルをつけた。(モンクはこの後、ルノーがもう1曲ミッドテンポのナンバーをリクエストしたときに、インタビュアーに対して非言語的なコメントをしている)。モンクは「Nice Work If You Can Get It」を選んだ。