《これぞ伝説の瞬間!なのに雑なダイジェストすぎてツラい》
かのウッドストックフェスティバルと肩を並べる奇跡のロックフェスがあるならコレだろってくらい全アーティスト優勝すぎてびっくりした。もちろん出演者と時制が重なる部分があるにしても全員全盛期ギラギラに狂った衝動を大衆に向けぶつけてくる。なんせ目玉となる出演アーティストらがこの後Too Young To Die!若すぎる死を迎えたと思うと如何に貴重なライブだったかがわかるし、名前だけしか聞いたことなくても一瞬で虜にするインパクトが芸術として伝わりぶっ飛ばされた。
とりあえずキッカケはジミヘンドリックスに夢中だった頃購入したモンタレー公演ジミヘン編のソフトで知った以来、いつかは興味を持つかもと気になっていての今回。お口あんぐりな当時の客と全く同じリアクションで放心状態でした。イギリスから帰国しアメリカでブレイクするキッカケとなったジミヘンは完全にギターの間違った使い方を広めたことでパイオニアとなったが、改めて流れで観ても伝統的なギタープレイヤーからけしからん、と叱られそうなデタラメ奏法、それでいてなんちゅう音出すんだと初めて知る人にも衝撃してほしいパフォーマンスだった。
また当時バチバチな関係だったザフーとは出演にあたって大トリで揉めた逸話があり、ザフーの方も名演と誉れ高いこのMy Generationは観たことあったが、やっぱりエグい。なんか殺気だっていて、からの終盤トランス状態、ステージ破壊芸はもう熟練の域だった。
そして安定のサイモン&ガーファンクルは短いけど、間違いない魅力。不気味なユニゾンで鳥肌誘われたジェファーソンエアプレイン。そしてあのなんか破壊できそうなシャウトのジャニスジョプリンよ、最強すぎて笑った。歌唱は言わずもがな、ディレイの強いギターソロにまずビビらされたな。ただ今回の出会い的には全く存じ上げなかったオーティスレディングだ。これぞ魂の叫びのトンデモロングトーンに震えた。黒人の彼がヒッピーだらけの客席に「オーライ、ブラザーその感じだ」と沸かせてる光景に泣きそうになった。公民権運動などで一触即発ピリピリムードに彼が成し遂げたステージはジミヘンとはまた別の類で意義があった奇跡だし、『デトロイト』を観ているとより胸に迫るものがあった。
全体を通して、時代と密接に絡んだイベントだったことは客の雰囲気が全て語っており、ベトナム戦争の過熱化で国民に向けられた銃口にヘイトでなく花を差したとされるフラワームーブメントから着想を得た。そのコンセプト通り音楽によって国民の緊張を緩和できたと思える上手いこといったウッドストックかなと。
そんな訳で本作はライブ映像としての貴重なモンタレーフェスを評価したいが、にしても演奏をぶった切りすぎだ。確かにハイライトで見る豪華さはスゴイだろうけどフルコーラスで収録されてるのは数えるほどしかなく、どう考えても割に合わない78分が最大の不満点だった。なのに謎にラヴィだけ10分以上演奏してて笑った、しかも何回同じフレーズ繰り返すねん。