鷲尾翼

インサイド・ヘッド2の鷲尾翼のレビュー・感想・評価

インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)
4.5
【まとめシネマ】#1138

【まとめ】
* 共感が止まらない新キャラクターの数々
* 思春期の全てが詰まった最高の物語
* 想像以上に素晴らしい成長日記

試写会で鑑賞。

前作では「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」という5つの感情のキャラクターをメインに描き、続編では前作以上のチームワークやコンビネーションを見せてくれる。そんなある日、主人公が成長し、思春期に突入し「大人の感情」が登場する。

「シンパイ」は、最悪な将来を想像し、必要以上に準備してしまう。「ハズカシ」は、いつもモジモジしている恥ずかしさMAXのキャラクター。「イイナー」は、いつも周りの誰かを羨んでいる。「ダリィ」は、どんなときも無気力で気だるい。

前作では主人公が少女だったため、対象年齢が離れていると感情を思い出しながら鑑賞するイメージだったが、本作の大人の感情は現在進行形で共感してしまう感情の数々なので、作品に対する親近感がグンと増す。大人の感情の他にも、様々な新キャラクターが登場し、ユニークな個性にクスッと笑っちゃう場面も多いのも好印象。

本作は、前作の主人公の女の子・ライリーが高校入学を控えた続編だ。

前作では少女だったライリーもかなり成長していて、友人関係や将来への心配など大人な悩みを抱えるようになる。そんなライリーに思春期に突入し、これまで以上に感情がグチャグチャになっていく。当然、ヨロコビなどが暮らす頭の中も大パニックになり、ライリーを何とかしようと奮闘する物語。

本作は「思春期」という曖昧な成長の変化をポップに細分化している。ヨロコビたちが頭の中をひとつひとつ巡りながら異変に触れる構成なので、かなり学びも多い。そのひとつひとつが「思春期」という時期を説明するためには必要なものだと思うし、それに対して説教臭さはなく、ポップでカラフルに描いている素晴らしさがある。

また、物語の方向性のひとつに「精神的に不安定な状態」や「心の病」という要素もあるので、処方箋のような客観的な気づきも含まれるのが尚素晴らしい。

本作の結末は、決して見えなくて定まらない感情や思想に対して完璧なアンサーを出されたような凄味を思う気持ちになってしまった。「大人の感情」という新しい要素に対して大切でどれも必要なものだと感じるし、あの結末に不満を持つ人は誰もいないと思うぐらい最高の続編だった。

これから色んな人にガンガン薦めます!
そのぐらい素晴らしい作品でした。
鷲尾翼

鷲尾翼