「人格」と「感情」のパワーバランスを見事にエンタメに昇華した傑作。
子どもの頃は感情のまま行動し、その結果積み重ねて来た記憶を元に人格が形成される。人格が生まれると、今度はその人格が感情を主導するようになっていく。
誰もが迎える思春期を、人格が形成される過渡期として捉え、その人格に対して感情が向き合うまでの過程を、ここまで丁寧に描写しているのが凄すぎるなと。
人格は若いうちはまたまだ不確定で、記憶(経験)や感情によって変わりうる余地まで示していて、設定が本当に緻密。
もちろん抜群に面白いが、でも面白いより「見事」という感想が出てくる作品。