YutaTakaue

またヴィンセントは襲われるのYutaTakaueのレビュー・感想・評価

3.3
ヒューマントラストシネマ有楽町にて「またヴィンセントは襲われる」鑑賞

ヒュートラ有楽町で「胸騒ぎ」から立て続けに二本立て鑑賞した本作。この日はヨーロッパ不条理ホラー尽くし。
突如人と目を合わせる事で襲われるようになった中年男の悲劇を追った作品。
世にも奇妙な物語のようにキャッチーな設定から世界観を広げていく作風になっており、前半の職場で研修生や上司から襲われる光景は怖いながらも何処か滑稽で少しブラックユーモアの要素も垣間見える。しかし、次第に事は大きくなり、男と同じ境遇に追い込まれた人間達のコミュニティの存在に気付き対策に講じていく様はパンデミック系映画のようでもあり、この影響がどれくらいの範囲で広がっているか分からない恐怖感に変化していく様は面白い。
作中では犬の危機察知能力を活用した回避アイデアも面白かったかな。
ただ、人間の凶暴性を題材に取り入れている割にはバイオレンス描写はかなりマイルドで物足りなく、映画の後半が途中出会ったウェイトレスとの恋模様に割かれてしまうのはどうも作品のテンポ感を損ねてしまっているように感じた。
また、今作では『目を合わせたら襲われる』という設定が実は明確になっていない点が1番中途半端に感じた。
人によっては目を合わせても襲わなかったり、一定時間経つと正気に戻ったり、突然都合の良いように襲う、襲わないを繰り返すためご都合主義な展開に正直残念に思ってしまった。
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