このレビューはネタバレを含みます
劇伴は必要ないし、人物の映し方にバリエーションも無い。マイクが拾う空気のザーっていう音で編集とテイクの使い分けが分かってしまう作品は初めて。監督が編集やポスターデザインまで全てをこなしているのは凄いと同時に、ここまで一人に責任がかかるスタイル(もしくは一人で多くを兼務することで映画が作れてしまう)に疲弊した日本映画の現状を感じる。だからこの映画を悪く言う気にはならないし、手放しで絶賛することも無い。そして時代劇を形作る規範や伝統こそが長く生き残ることを切に望む。