ミシンそば

クラメルカガリのミシンそばのネタバレレビュー・内容・結末

クラメルカガリ(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ロビーに出て喰いもん買ったらもう案内開始。
忙しないわね。
まあ、こう言う時間割だからこそ今日出てくる決心着いたんだけど。

シナリオ構成段階で成田良悟氏の手が加わったらから、前作と比べてキャラの立ち方から世界観説明の深度に至るまでいろんな所が進化していた。
陥没事故が多発する炭鉱町を舞台に、町の変化を調査して描画する、アウトサイダーアート的な側面もある感じの地図作成者を主人公にしているって筋書きで行っている感じだ。

そして本作は、「子供が大人になる」と言うことが話のバックボーンにあるようにも感じた。
作中で伊勢屋も言っていたが、カガリらが作成した地図情報は犯罪者が利用しないとは限らない。
そんなとこまで考えていたら商売としてメンタル面でやっていけないし、ある程度近視的な視点を持つことも大事なんだろう。
カガリはそこのところの視点が狭くて、まさしくアーティスト気質、対して、明らかに彼女に気があるユウヤは野心家で炭鉱町から出たがっている。
多分だが、ユウヤの目にカガリが愚鈍に映る瞬間もあっただろう(恐らく我々観客の目にも)。
だが、それが監督の思う壺で、結局真に視野が狭かったのは、悪役に騙されていたユウヤの方だったわけで。
…ここら辺言語化ムズいな……ユウヤの方が視野が狭かったとも取れるし、彼の視野が一応広いことは広かったが、それは無闇に色んな視点を持とうとした結果だから(対してカガリは、自分の得てのよい分野に真摯であり続け、野心や我欲に浮気をしなかった、「視野が狭い」と「一つを突き詰める」の明確な違い…?)

まあそんなだから、カガリと言う女の子は、一見してそうは見えないけど芯は強い、これからさらに強くなれる人間だって、思えたかな。