このレビューはネタバレを含みます
交わっているようで交わっていない2つの世界
コーダ(耳が聞こえない親を持つ子供)とろう者の方々を題材にした作品。
コーダの方々は日本でも2万2千人以上おられる事や手話にも方言がある事など勉強になりました
映画の作りが非常に好みで、同じ題材のコーダあいのうたよりこちらの作品が好きです。
コーダの主人公や聴覚障害者の方々の日常を、ひどいイジメ描写だったり悲劇や感動作にするのではなく、子供時代から細かい日常描写で苦労する場面や、逆に感情豊かな親子愛だったりも描かれてとても良かったです。
途中、ろうだからって同情も心配もされたくないのセリフに本当にそうだなぁって。
耳が聞こえないからこその丁寧なコミュニケーションや大声を出さなくても盛り上がれるシーンは本当に楽しそうだし、口で話してのコミュニケーションだと、相手の顔を見ないで時々話したり、結構適当に会話してしまう所もあるので、改めて伝える伝わる事の大事さを気付かされましたね。
子役の子も吉沢亮の少年時代っぽさが出ていて良かったですし、一番はやっぱり母親役の忍足さんが本当に素晴らしかったですね。
吉沢亮も手話コミュニケーションをとおして段々と表情が豊かになっていく様は見事でした。
個人的に好きなシーンは
まずパチンコ屋の手話で助けるシーン
次に、病院で母が泣き崩れるシーン
このシーンでろう者の方々の絆の深さや、ろう者の方々しかわからない不安を表現されていて、もう一つの世界の苦悩がこのシーンだけでも凄く伝わってきました。
そして最後のシーンは本当に演出も良く落涙してしまいましたね。
最後にハッピーが止まないはさすがに吹いて笑いました。