このレビューはネタバレを含みます
アンナチュラルとMIU404が全編通してずっとおもしろいしおもしろくない瞬間がないことは大前提として、その中でも特におもしろい部分だけをすくって煮詰めたみたいな映画だった...本当にありがとうございます...
野木亜紀子さんって本当にすっごいわ、すごい。
山崎はたぶん自殺という意味も、ベルトコンベアを止めるという意味もどちらも持って身を投げたのかなと思うけど、落ちて、ベルトコンベアの横に寝かされて、何事もなかったかのようにまた流れていくあの様を見たら、そりゃばかなことをしたって思うよな。絶望というよりもはや呆れという感じ。全てを投げ打って心を壊して働いても、壊れてしまったら人間はなかったことにされて、社会と労働だけが当たり前のように進んでいく現実、怖いし、描き方が上手すぎてとんでもねえ〜と思った。
最後、五十嵐が上階から下を見ていたのも、梨本がロッカーの文字を見ていたのも、結局爆弾事件は解決しても、事件が解決しただけで状況は何も変わっていなくて、また山崎と同じことをしそうになっているのか、それを踏みとどまろうとしているのか、どちらかは分からないけどそういうことなんだろうな。
非常事態だったことを差し引いても、わずかだったとしても、あの短期間で単価上昇と他社との連名協定を交渉に出したエレナさん、本当にめちゃくちゃ仕事ができる人じゃん...と思った。
脅しは力の強い人が弱い人に対してすることだっていうセリフは、センター長っていう役職のある立場から非管理職を見て、エレナ自身にも自分より上の立場の人がいるっていう、どちらの目線も知っている人間だからこそ出た言葉だったのかな〜という気持ち。
あとあの最後の宅配ロッカーの暗証番号が404だったの、作り手がそれを意図していたかは分からないけど、わたしは404だから間に合う、最悪なことが起きてしまう前になんとかなるっていう暗示だな〜と思った。結局爆発はしたけど最悪は免れたし。
白井くんが出てきたとき、いろんな感情で普通にちょっと泣いた。
いや本当に伏線回収上手すぎ映画だな〜...どでかい期待を当然のように超えてくる良さでした...
あと、英語を話せる俳優さんが海外に本社がある企業の日本支社の偉い人として配役されてるの、キャスティングの天才〜と思った。ディーン・フジオカさん...ありがとう...
藍ちゃんと志摩とUDIのメンバーがいつ出てくるのかソワソワしすぎて話に100%集中できなかったので必ずまた観に行きます