ネクターブルー

ラストマイルのネクターブルーのネタバレレビュー・内容・結末

ラストマイル(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

さすが野木ドラマ、半ばエンタメマシマシサスペンスかと期待して観に行ってしまった私には重い槍を刺すようなラスト。劇中のMIUキター!UDIキター!なんて高揚感はやっぱりまるで撒き餌だった。
ラストワンマイル問題。消費者中心になればなるほど深くなる「お客様の為」という言葉の闇や、やるべきことがほとんど決まっているような作業自体について疑えるひと時も無く業務に「働かされている」労働者たちの現状など、あの手の企業パフォーマンスが起こしている社会問題について爆破事件という架空の出来事によって表現されている映画なのであって、エンタメマシマシサスペンス以上のメッセージ性があった。
ハプニングが起きた時に、誰の責任なのか誰が悪いのかを無意識に探って理解した気になりたくなるのが本当に私の悪い癖だなと思ったし、当事者とか指揮官的な人とかが責任を負うこと(そもそも責任の所在が正しいのか)と仕組みを変えることや根本の問題解決に取り組むことは全くの別物であって、自分は・現代社会は本当に間違わずにやれているのだろうかという視点を、野木ドラマによって失わずにいられる。