こなつ

ラストマイルのこなつのレビュー・感想・評価

ラストマイル(2024年製作の映画)
4.0
評価通り、とても面白かった。オリジナル作品として大ヒット中の本作は、日本で初めてという「シェアード・ユニバース」という構成で、TBSの人気ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の2つのドラマの出演者達が、ドラマと同じ役でこの映画に出演している。そういう意味で出演者が豪華。さらに主題歌も3作品全て米津玄師さんが担当。2つのドラマの大ファンだった私は、大きな贈り物を貰った気分で鑑賞。

「アンナチュラル」「MIU404」を手掛けた脚本家の野木亜紀子さん、監督の塚原あゆ子さん、プロデューサーの新井順子さんの3人が中心になって制作された本作は、2つのドラマと映画の世界観を繋げて1つの物語を紡いでいる。

流通業界最大のイベント「ブラックフライデー」の前夜、世界的な大手ショッピングサイトから配送された荷物が爆発する事件が発生。やがてそれは日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件と発展していく。巨大物流倉庫のセンター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)と共に事態の対応に追われて奔走する。

物語は、オリジナル作品のサスペンスストーリー。2つのドラマを知らなくても違和感なく観れる。「ラストマイル」とは、最終物流拠点から顧客までの最後の区間のこと。日本における物流問題をテーマにしている社会派作品ともいえる。今年4月にトラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用され、ドライバーの収入の減少、輸送能力の不足によって起きる問題が懸念されているが、この作品の中でも火野正平さんと宇野祥平さんが演じるドライバーの佐野親子が身を粉にして働く姿が印象的だった。爆発シーンなども迫力があったし、安全管理が徹底している中で、どうやって爆発物を忍び込ませているのかと謎解きのような展開も楽しめた。

ネットショッピングを良く利用している私は、この作品を観てドライバーさんに感謝しかないけれど、最近は置き配のシステムがしっかりしている。LINEやメールで写真付きで「こうやって置き配しましたよ」と連絡があるので、留守でも受け取れるし、ドライバーさんが何度も来る事はなくてかなり改善されたと感じている。

満島ひかりさんが圧巻の演技で好演。何て魅力的な女優さんなのだろう。観客をグイグイ惹き付ける彼女のオーラは最高だった。
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