フラニー

ジョン・レノン 失われた週末のフラニーのレビュー・感想・評価

3.9
藤本国彦先生のトーク付き上映

この映画の公開を知るまでメイ・パンという女性の存在すら知らなかった。
公開できてほんとによかったよねとメイとジュリアンに対しては思ってる。
ヨーコさん公開を許してくれてありがとう。

19歳でレコード会社に飛び込んで、ジョンとヨーコの前衛映画の制作にたずさわり、その後2人の専属秘書として雇われたという、メイ・パン。すごい行動力。

その頃ヨーコが「あなたが歌えば世界中の人達が聴いてくれる。何かためになることを歌えば?」と言って生まれたのが『Imagine』だったなんていう素晴らしいエピソードがあったりして、私はなかなかメイに感情移入できなかった。
ジョンの反戦活動の映像もはさまれていてそれは感動的。こんなに影響力があったの素晴らしい✨

その反戦運動によりニクソンに目をつけられFBIの監視下にあったり国外追放されたりとソロ活動もままならなく、ジョンのストレス、浮気などからヨーコとジョンの仲が怪しくなる。
そこでヨーコが考えたのは、他の女に寝盗られるくらいなら? 秘書であり有能な若い娘メイに、ジョンの恋人になるようにまあ、ボスとして命じたという感じ…
ヨーコの独裁ぶりったら

ジョンの恋人になるなんてありえないと思っていたメイも、ロスでの開放された日々にあっという間にジョンに恋してしまうし、ジョンもメイがかわいかったのね…
この1974年、メイが支えた時代にジョンは音楽的にとても自由に楽しそうに活動していた。飲みすぎてもいたけど…でも全米シングルチャート1位をとったりと結果をだしている。エルトン・ジョンをはじめデビッド・ボウイやハリー・ニルソン、リンゴらとジョンの言葉をかりれば「JAMったり」して、メイのコーディネートが功を奏していた。王子さまみたい白いスーツ姿のミック・ジャガーにも釘付けよ。
ポールとリンダもやってきたのだけども…

若きメイ・パンのファッションも素敵だし、2人がお互いを撮りあったスナップや、ジョンがメイに書いたイラストスケッチなんかも貴重な映像。
この時代をLost weekendと振り返るテレビ番組映像のジョンもめっちゃかっこよくて…

トークショーで藤本先生が話してらしたけど、ビートルズ関連の映像ももう出尽くしたかとおもっていたが、またあった。
というくらい、アーカイブ資料としても貴重なドキュメンタリーなのです。

正直に言って私はヨーコとジョンが好き。2人には距離を置く時間も必要だった。
メイとの時間はひと時のアバンチュールでしかない。メイは秘書としてジョンを支えたけど、ヨーコはアーティストとして彼に影響を与え続けるファム・ファタール。
ヨーコから見たこの時間のドキュメンタリーも下さい
フラニー

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