hidehi

ジョン・レノン 失われた週末のhidehiのレビュー・感想・評価

4.3
2024/5/14 鑑賞。
ジョン・レノンのファンだけど、この"失われた週末"について何も知らなかったことに気づかされた。
考えてみれば、まさにその時期に二枚(『ロックン・ロール』と『心の壁、愛の橋』。ちなみに『ジョンの魂』から『ダブル・ファンタジー』まで、スタジオ録音のアルバムは全部で六枚なのでそのうちの二枚)もアルバムを作って、初めてのNO.1シングル・ヒット(『真夜中を突っ走れ』)を出しているわけだ。もしかして今となっては一番有名かもしれない『スタンド・バイ・ミー』だって、この時期の録音だ。決して「暗黒時代」とか「黒歴史」ではない。なんか、飲んだくれて荒れ放題の時期だった、という印象持ってませんか?? それってヨーコのイメージ戦略に乗せられて、手のひらを転がされている、ということでは??
映画の冒頭で、メイ・パンが「この時代のジョンについて、本当のことを知ってほしい」と言っているが、まさしく同感。この時期のビデオや写真、イラストなどの資料が次から次へと出てくるのだが、ジョンも彼女もとてもいい笑顔で写っている。メイ・パンの満面の笑みは確かにいつでも魅力的。
もう見たこと聞いたことない資料が満タンなので、それだけでも見る価値あります! 全編メイ・パンのナレーションで、ジョンやジュリアンの肉声もテンコ盛り。ヨーコに気兼ねして会えていなかった息子ジュリアンと前妻シンシアとの再会を取り持って維持したのもいいですよね。ジュリアンが感謝とともにインタビューを受けていろんな話をしてます。
ヨーコ、なんだかダーク・シスみたいだけど、実際そういう人なんじゃないかなぁ。そんなに出てくるわけではないけど、どのエピソードも全然リアル感あるもん。この映画見て「ヨーコをディスってる」と思う人は、ヨーコを贔屓の引き倒ししてるとしか思えないなぁ。
この映画では特に触れられていないけれど、メイ・パンはその後もちゃんと"ファミリー"の一員で、リンダ・マッカートニーの追悼式や「コンサート・フォー・ジョージ」にも呼ばれてます。
ヨーコがいなければ『イマジン』は生まれなかっただろうけど、メイ・パンがいなかったら『スタンド・バイ・ミー』は生まれていない。ちゃんと評価するべきではありますね。
結局また"主夫"になって音楽的にはほぼ沈黙の状態になってしまい、『ダブル・ファンタジー』をやっと出したところで、、という成り行きを知っているだけに、最後はなかなか切ないものがあります。ヨーコからの伝言を持ってきたのがポールとリンダというのも、なんか、、ね。
hidehi

hidehi