アメリカ国内の分断が言われて久しく、またトランプ支持者による1.6議会暴動が起きて久しいが、まぁそのあたりから着想を得たんでしょう。しかし、そもそも同時代的事象を(ドキュメンタリーではなく)フィクションで扱うには卓越・透徹した目線が必要であるところ、およそ文学的(映画的)加工ないし昇華が甘いように思う。/「2020年代アメリカの内戦」を扱うにあたり、戦場カメラマンに焦点を当て、その戦場カメラマンが被写体となってしまうことの意味、撮ること-撮られることの関係に自覚的だったのは、さながら『NOPE』同様の面白さはあるが、所詮そこ止まりではある。